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長野県北安曇郡白馬村神城
スキー場東麓の宿駅の街

  白馬村の千国街道は、松川を渡り平川を越えると飯森宿に向かって田園のなかを南下します。飯森集落は、大糸線白馬駅から南西に4~5キロメートル離れた一帯です。
  この一帯は、唐松岳から八方山を経て東に延びる大きな尾根と、五竜岳岳から遠見連山をつうじてやはり東進する長い尾根に挟まれたところで、姫川と松川、平川がつくり出した複合扇状地の南端に位置しています。


▲白馬五竜スキー場の麓にある飯森の街:塀後に迫るのは、五竜岳から延びる遠見連山の尾根


▲街の北側には八方山麓の森と別荘・リゾート地(白馬別荘地と呼ばれる)

  飯森の街から東を眺めると、姫川の対岸に高戸山と東山の峰が連なっています。その山頂からいくつもの尾根が西に突き出しています。
  東西両側から延びる尾根に挟まれて、飯森地区は姫川河畔にあって狭まった盆地平原となっています。
  飯森の街は、今は白馬五竜スキー場と白馬47スキー場という2つのスキー場の麓の旅館・民宿街となっています。よはいえ、国内では20年以上前にスキーブームが去って、このところは少し寂しくなってきています。
  一方、オーストリアや入ジーランド、北アメリカ、ヨーロッパからの観光客が増えてきて、そのなかには白馬村に住み着いて旅館・ホテル経営や観光事業、さらには日本の伝統文化の保存運動を手がける人たちが目立つようになってきました。


▲屋敷森に囲まれ、昔日の面影を残す茅葺古民家(蕎麦店)

■山麓の農村集落■


▲長谷寺浦に広がる鬱蒼たる山林: ここに古い城下街があったか

  往時、飯森村はその南西に隣接する小村、飯田と合わせて一つの宿場街をなしていたそうです。ともに小さな集落だったからです。飯田集落は、遠見山の直下で、今はすっかりスキーリゾート地に変わってしまっています。宿場街の面影をまだしも残しているのは飯森です。


▲寺号(堂号)はどこにもない

▲十王堂の辻から西の様子

▲十王堂の姿

  飯森は、中世晩期の城下町の跡に形成された集落です。村落の西端の山麓に長国寺がありますが、その西側、今は鬱蒼たる森林になっていますが、家臣団の屋敷からなる城下街はおそらくそこから飯田村にかけての丘陵地にあったのではないでしょうか。
  江戸時代になってから千国街道が開削され始めた頃、この地でも本格的に村落と水田の開拓が進められたと思われます。その頃には、長谷寺の裏手の森林(その当時は落葉広葉樹とアカマツからなる雑木林だった)は、飯森城直下の城下街の遺構を覆っていたかもしれません。「つわものどもが夢の跡」として。
  したがって、現在の飯森の集落を歩いて探っても、戦国時代の城下街の痕跡はどこにも見出せません。とはいえ、スキーリゾート地の麓にある、牧歌的で端正な農村風景を楽しむことができます。


▲茅葺古民家の基本構造が残る家屋

▲洒落たリゾート地の趣き

▲煙抜き小屋根を残して改修したらしい民宿

▲一対のイチイの木が郷愁を誘う

  飯森でまず目につくのは、温泉施設「十王堂の湯」です。かなり規模の大きな温泉施設で、遠方からも客がやって来るようです。その施設の名前のもとになった十王堂は、村落の中央部びあります。その傍らに、概略こんな説明立札があります。
  ――死者の魂が往く冥土には、閻魔など10人の王がいて死者の生前の罪業を裁き、その後に魂は安住の場を得る。その住人の王を祀った堂が十王堂だ、と。
  そのほかにも、畑のなかに小さなお堂が残されていますが、屋根の「卍」のほかには号を記すものもありません。
  集落を歩いてみての印象として、蕎麦店を除くと茅葺屋根の古民家は1棟しか残されていないのですが、しかし屋根てっぺんの煙抜き小屋根など古民家の造りを残した構造になっていて、茅葺屋根を勾配に緩やかな金属板屋根に改修した民家が多いということです。
  その結果、和風の雅趣が感じられるこ洒落た建物が、牧歌的な農村風景を醸し出しているのです。


▲これは集落南端の蕎麦店の茅葺古民家


温泉施設 十王堂の湯

集落内の道

屋根に「卍」印があるが、名前がわからない小さなお堂

小堂を取り巻く畑:清冽な用水が流れている

この小径は、塩の道の脇往還だったか?

十王堂の辻: 千国街道説明の立札がある

十王堂: 時計が壁に架けられている

民家の庭に咲き乱れるコスモス

村内を南北にはしる道

民宿のようなこ洒落た民家が並ぶ

白壁土蔵などの古民家の基本構造を残す家々

この小径が現在の村の中心となる道路

柱の造りは昔のままに見える民宿

村内にただひとつ残る茅葺古民家

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