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長野県上田市別所温泉
 
 
別所と安楽寺の歴史  

  別所温泉には世にも珍しい八角三重塔がある。
  安楽寺の仏塔だ。鎌倉時代に当時の中国宋朝から受け入れた禅宗様式(唐様)の三重塔だが、塔の断面が八角形で、きわめて稀有な建築様式によっている。

樹林から見上げる塔

▲安楽寺本堂の裏山の中腹にある八角三重塔▲
  安楽寺がある別所温泉には、ほかにも常楽寺と北向観音という由緒の古い寺院があります。寺めぐりを楽しんでください。
  安価に入浴できる共同浴場もあって、温泉湯めぐりも楽しい街です。
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■信州の鎌倉、信濃の学海■

  別所温泉は上田盆地の西の端にあります。非常に歴史の古い温泉郷で、平安時代の半ば頃から温泉療養の人びとが滞在したといいます。
  9世紀半ばには、中国(唐)に渡って研鑽を積んだ高位の学僧たちが、当時の最先端の医療知識(薬草学、温泉治療など)を携えて、塩田平・別所方面に訪れたと思われます。

  やはりその頃、上田に国府が置かれ、信濃国分寺が創建されたことからも、この一帯は早くに平城京や平安京と結びついて、仏教研鑽や普及の拠点となったようです。
  安楽寺も平安時代の創建という言い伝えがありますが、鎌倉時代中期よりも前の歴史については、確たる記録・資料が残されていません。

それにしても、鎌倉中期には、別所・塩田平にはいくつも大規模な(真言宗や禅宗の)寺院があって、多数の僧たちによる仏教や学問の研究がおこなわれ、農業や繊維業の開発が進められていました。

◆鎌倉中期の隆盛◆

  曹洞宗の安楽寺は鎌倉中期には有力な禅寺で、鎌倉幕府(北条氏)による支援もあって、多くの学僧を育成していたといいます。信濃の学海の中心のひとつでした。

  このあたりの寺院学僧は宋代の中国との行き来もあったようで、禅宗仏教の経典や知識などに加えて、唐様の寺院建築様式の技術や医学・薬学などの知識もこの地に蓄えられたようです。
  ところが、北条政権滅亡後には急速に衰退したようです。

  それでも、安楽寺には、八角三重塔をはじめとして国宝級、重要文化財級の鎌倉時代からの文化遺産が残されています。

◆安楽寺詣で◆

  安楽寺は別所温泉の北西の端で、夫神山の山麓に位置しています。
  安楽寺を訪ねる道はいくつもあります。

  まず、別所温泉入口の駐車場から北西に歩き、常楽寺を経由して、景観の素晴らしい――温泉街を見下ろしながらの――山麓高台の小径をたどる道があります。

  また、駐車場から温泉街の中心通りを進み、温泉センターで右折して北に上る道があります。すぐに栄福山安楽寺の黒門に行き着きます。門をくぐって池の脇を過ぎると参道を登ると山門・境内です。


蓮の葉が広がった参道脇の池(6月)

街の展望
別所温泉の街を展望
常楽寺の門前から街並みを見下ろす
安楽寺黒門
安楽寺の黒門
蓮池
右手は参道脇の池(4月)
夏にはにぎやかなカエルの鳴き声が響き渡る
庭園と建物群
安楽寺の境内(6月)
本堂
本堂(4月:サルスベリはまだ丸裸)
森に囲まれた塔
国宝:八角三重塔

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