本文へスキップ
長野県北安曇郡白馬村
山あいの集落

  大出集落から南に300メートル離れたところが蕨平という集落です。西向きに開けた谷間にある集落で、かつてはスキー場があって賑わっていましたが、いまは閑寂な村です。集落のいたるところから西方に白馬連峰やスキー場を展望できます。
  山麓にはJR大糸線や国道148号とと並行して姫川の清流が流れていて、河畔から急坂をのぼって集落にいたります。
  取材に訪れたとき、姫川では子どもたちがインストラクターの指導下でラフティングの訓練をしていました。


▲蕨平集落の東端の高台から村を見おろす: 背景は八方尾根スキー場

▲村落の下を流れる姫川: 蕨平橋の下流で子どもたちがラフティング訓練


蕨平観音の境内にある石仏群▲

  白馬村のなかを姫川はだいたい北北東に向かって流れていますが、2度ほど大きく東に蛇行するところがあります。ひとつは大出で、もうひとつが大出の南にある蕨平です。南から北に張り出している尾根裾とぶつかるからです。
  蕨平は、大きな尾根の中腹が西に向かって窪んでできた谷間にある集落で、蕨平橋で姫川を南に渡ってから急坂をのぼったところにあります。蕨平という村落の名前は、いたって風雅な響きをもっています。


▲かつてスキー場だった斜面に咲く秋の花

▲集落の入り口の休憩所: 村の案内地図がある

  尾根の麓には姫川に沿って河岸段丘が広がり、広大な稲作地帯となっています。そろそろ収穫期に近づいて黄色味を増した稲田を見おろしながら集落に近づくと、分岐点に差しかかります。右手の道は北野天満宮を経て集落南部にのぼる小径。左の道は集落の就寝部に往く道です。
  天満宮の南側には、山森を切り開いた草原斜面が広がっています。これは、かつてのスキー場の跡で、25年以上前までは多くのスキーヤーで賑わっていたそうです。それ以前は、ここは茅場で、茅葺屋根を葺くための材料を育て刈り取り、乾燥させていたのだとか。白馬村や小谷村では、かつての茅場は山腹斜面の起伏をならしてあるので、その多くがスキー場のゲレンデとなったそうです。
  ということは、リゾート開発が盛んになる頃に萱場は次々と消えていって、茅葺屋根には金属岸が被せられるか、改築されていくようになったことを意味します。


▲古民家の背後に尾根の背が迫っている

古民家の屋根の重なりがいい感じ

▲端正に修築されている古民家

◆古民家群と山小屋風の住宅群◆

  蕨平には、茅葺古民家(金属板を被せてある)が5軒ほど残されています。そのほかの民家は、シックな山小屋風というか民宿風の造りになっているものが多いようです。古民家の多くは、かなり丹念に補修されて美しい相貌となっています。
  こういう村落の姿になったのは、この村の南側にかつてスキー場があって、都会からの観光客の好みに合わせて古民家を残して民宿にするか、落ち着いた趣の山小屋づくりの民宿にするかしたのでしょう。
  全体として、かなり感じのいい山村風景が保たれたることになったようです。


▲急勾配の古民家の屋根が連なる風景

▲集落の縁辺の尾根頂上は畑と樹林帯となっている

  蕨平が位置する尾根は東側が急峻で西側によりなだらかな形を成しています。したがって、西側斜面に集落がつくられ、尾根の背には畑を開きその北と東側に暴風のために植林を施したのです。


姫川の急流で子どもたちがラフティングの訓練

蕨橋の南の袂にある庚申塚: 庚申塔や道祖神が立っている

河岸段丘上に広がる水田: 彼方に五竜スキー場が見える

村の中心を往く道路; 背景には天満宮の杉林

この道路を右に曲がって進むと、尾根を越えて鬼無里街道に出る

尾根斜面に家々が並ぶ

向こうの小径に先には観音堂と石仏群がある

中央の古民家はことに造りが美しい

水分丁寧に補修されてきたのだろう

この古民家がある段が集落の北端で、一番高いところ

尾根の北端近い丘から集落を見渡す

|  前の記事に戻る  ||  次の記事に進む  |