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長野県小諸市
大手・市町・中町
 
 
市町と本陣問屋場  


市町の旧本陣問屋場の町屋

  残念ながら、小諸市の街並み景観保存がまだ立ち遅れていることを示すのが、上に掲載した市町の旧北国街道の本陣問屋場だった町屋家屋の現状の写真です。江戸時代後期の建築だとか。1742年、中沢川と松井川の氾濫によって本町の大半が壊滅したのちに、下町に本陣問屋場が移転再建されました。これはその建物です。
  小諸宿の一般の町家は街道側の間口が狭く造られていますが、本陣問屋場など宿駅として特別な店舗施設は職務の必要から間口が広くなっています。そして、五角形の妻面が街道に面する妻入り造りとなっています。
  看板を掲げた破風型の招き屋根と持出し格子窓、そして出桁造りで、一階よりも二階が街道側に出ています。しかも、全国でもこれだけの規模の町家はきわめてまれです。文化財としての価値が非常に高い建築物です。しかし、いまだ修復は施されず、老朽化が進むにまかされています。

■市町の街並み■

江戸時代の街道制度と宿駅の役割や本陣問屋場の仕事については、木曾街道の宿駅と問屋場制度についての記事を参照してください。

◆小諸宿本陣問屋◆

  大手門公園から北に上り坂の小路を進むと旧北国街道に出ます。その辻で左手(西方)を見ると、しなの鉄道高架下の交差点の北側に古い大きな町屋があります。それが小諸宿本陣問屋場です。


▲本陣の薬医門

  この屋敷には陣屋としての格式を示す薬医門があって、問屋場は国の重要文化財となっている重要な建築物と聞いていますが、いまは老朽化して荒れ放題に見えます。
  これだけの建物なので、修復の費用は相当巨額になるため、手当てができないのでしょうか。
  しかし、観光客を呼び込むためには、こういう歴史的な景観のシンボルとなる建築文化財をまず手当てすることが何より大切だと思うのですが。じつにもったいない!

◆山謙酒造 幕末の問屋場◆

  本陣と空き地を隔てた隣は山謙酒造の美しい建物。幕末期に問屋場として建てられた切妻造りで、本陣よりも間口が広くなっています。
  この建物は最近修復されたらしく、大変にきれいです。家屋の内部は、街道での貨客の輸送・継立て業務のための仕事場の造りになっているようです。

◆町屋家屋が並ぶ街並み◆

  市町の屋並みは、住民たちが旧北国街道小諸宿の歴史的景観イメージの保全のために努力している姿を表しています。
  街道を挟んで本陣の斜め向かいにある那須野整骨院は、新しい建物のようですが、旧街道沿いの町屋造りの外観をイメージした建築になっています。深い奥行きの町屋風で、道側の縦密の格子窓や袖壁は小諸宿としての景観にぴったりです。


▲市町の街並み景観

  山謙から街道の坂を少し上ると旧脇本陣の町屋があります。脇本陣とは、宿駅の本陣を補佐する地位にある家門です。
  江戸後期の建物で、修復されながら現在まで維持されてきたようです。
  往時は小諸宿で随一の人気の旅籠だったとか。玄関には切妻破風を設け、棟側中央部の招き屋根、右側の出桁の上の二階には手摺りが、往時の繁盛ぶりを伝えています。
  切妻破風はなかなかに凝った装飾があしらわれています。破風屋根の上の雀踊りのような装飾と切妻板の下の懸魚げぎょは宿屋としての格式を示していたのかもしれませんね。


本陣問屋場町屋の妻入り側

本陣問屋場家屋の屋根には歪みが目立つ

山謙酒造の社屋 幕末に建てられた問屋場▲
街道に面した妻入り正面▼

市町旧街道沿いの街並み景観

那須野整骨療院 棟入り町屋造り風の景観


旧脇本陣
棟入りの玄関に切妻破風をあしらってある。なつかしい郵便ポストの上には唐破風のような招き屋根。

凝った装飾があしらわれた切妻破風

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