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長野県松本市丸の内
 
松本城の姿と構造  

Article in English Shape and Structure of Matsumoto Castle

I visited Matsumoto Castle in the first half of December, when they had alreay begun to make the new-year preparation. I walked around its inner garden and the main tower-complex.
Then the sky was covered thick clouds and the the Alps mountains were hidden by them. If it was fine I could take a look of their beautiful shapes westwards.
In the picture above the rope-works, in the conic shape, over the trees were Yukitsuri whichwere made to prevent the trees from beeing broken by sonw-weight.
As Matsumoto Castle was the oldest one that the main tower was constructed in the Tower-stairing architecture, the form of its tower is the most primitive.
The architecture type was developed in the last phase of the war-age, spacialized for a military purpose, in contrast with the Watcing-tower type.

  ときは師走の前半、冬支度と正月準備が進んでいる松本城の本丸に入り、複合天主群結構の内部や庭園をめぐってみましょう。
  この日は厚い雲が空を覆っていて、晴れた日なら城の背景(西方)には雪をかぶったアルプスが眺望できるのですが、遠景の山々は雲のなかに隠れていました。
  この写真のなかで樹木の上に円錐形に縄が張ってあるのは「雪吊り」で、――金沢の兼六園などにもありますが――降雪から樹木を守るための仕かけです。
  松本城は層塔式天主では最古のもので、最も原基的な姿をしています。戦国末期に開発された築城様式で、それまでの望楼式と違って、軍事的目的に特化された結構(建築構造)です。急角度の鋭い天主群が天を衝いています。
  望楼式天主とは、1、2階の基層に入母屋造りの構造を備え、その上に望楼台を乗せる結構です。層塔式店主は、そういう構造をもたないで、五重塔のように各層の屋根を葺きおろしていく結構です。

天主群の構造と内部の様子
          
◆連結複合天主群の結構◆

Article in English Structure of Castle

The picture abpve shows us the outer and the inner structure of Matsumoto Castle.
The feature most characteristic of it is that the main tower-complex has a very cohesive structure.
That is, they built a small side-towers named Inui-kotenshu on the northwest-side of the main tower and connect them with a short corridor, moreover they annexed a moon-watching turret on the southeast-side.
They are standing so cohesive within a narrow site that they look like to form a one body.
That main tower are standing a very narrow base (infrastructure) let us feel it soaring toward heaven so sharp. The structure has a simpleness without useless decorations.

  左の絵図は、松本城複合天主群の建築構造を示すもので、出典は松本市教育委員会 松本城管理事務所のパンフレット『国宝 松本城』。

  松本城の一番の特徴は、大天主の北西側にいぬい小天主を設けて短い渡櫓で連結し、南東側に増築された辰巳附たつみつけ櫓を直接連結し、さらにその先に月見櫓を直に付加して、きわめて一体性・凝集性の高い結構になっていることです。
  大天主は急峻で基層に対する上層の逓減率は小さくなっています。つまり、基層部を小さくつくってあるわけで、無駄な装飾性をもっていないじつに質実剛健な造りになっているのです。

●松本城の縄張り絵図を見る●

■黒門と本丸庭園■

Article in English Kuromon and Honmaru-garden

I visited there 10th December. Though it was rahter warm winter, almost leaves of trees had already fallen down. Then I could see clearly the shape of the main tower-complex.

The main tower, the side-tower, turrets, and the gates are covered with walls, window-racks and shutters lacqured in black. Therefore some people call it Crow Castle.

Getting into Honmaru through Kuro-mon, i.e. the black gate and Masugata-koguchi, I found the lawn-leaves already withered by hard frost.
In the garden they had begun to make a preparation for new year since late autumn. They were very busy in December. All branches of pine trees are sustained by the rope-works of cone-shape to avoid snow-damage.

In such a desolate garden appeared a young lady in Japanese princess costume. She weared gorgeous Kimonos with brilliant decorations and had a umbrella in her hand.
Soon she was encircled by many people having cameras. Most of them are men in early old age. They took pictures of the lady earnestly. She was one of staffs welcoming so kindly the visitors in such a way.

Getting into Tower-Comples

At entrance we had to put off our shoes and on slippers.
It is rather gloomy in the tower as there are no skylight-windows. Then we have to walk depending on guiding lights.
For main tower is a military apparatus for a war, it has no elbowroom. Then all stairways are very steep. It means that the tower has a narrow base area but a tall stature.
Therefore it has so many pillars, most of which penetrate tree stairs, to sustain its weight.

Shining Floors

But everywhere in it floor-bords are shining under the so weak light. It is because of very careful maintainance.
So many young boys polish the floors thoroughly by clothes which are wrapping walnut-oil cores every year. The plant fruit oil is the most adequate wax to conserve the wooden floors.

  12月10日に松本城の本丸を訪ねました。暖冬ですが、本丸とその周囲の落葉樹の葉はすっかりなくなっていて、外から本丸の姿がすっきり見渡せます。
  天主はもちろん、小天主や櫓群、櫓門は黒漆が塗られた壁面(腰壁)や鎧戸・武者窓に覆われていて、黒や鼠色が主体です。市民から「烏城」と呼ばれるのもむベなるかな。

  さて黒門から入場して桝形虎口を経て櫓門をくぐると、本丸庭園に出ます。庭園の芝生は何度かの霜を浴びて冬枯れています。
  松本城の本丸庭園では、晩秋から冬支度が始まっていて、師走になると正月の準備が本格化します。樹木を積雪から守るための「雪吊り」の縄からなる円錐形がいくつも現れます。そして、芝生を囲む青竹の柵が組まれています。

  そんなちょっぴり殺風景な本丸庭園に姫様装束の若い女性が現れました。深紅の傘をさして、金の刺繍で飾られた華やかな着物姿。
  たちまちカメラマン(ほとんどは初老のおじさん)に取り囲まれました。この城でも、こんな風に入場者を手厚く歓迎してくれます。

■天主群に入る■

  では、天主群の建物のなかに入ってみましょう。靴を脱いでスリッパに履き替えます。
  建物内部は明かり取り窓もないためかなり暗くなっています。照明を頼りに狭い場内を歩くことになります。

  松本城は無駄な空間がまったくない構造なので、各階層は急角度で上に伸びています。つまり、底面積のコンパクトさの割に天井が高いということになります。
  その結果、重量と構造を支える柱――3階層くらいを貫いている――がやたらに多くて、階段が大変急勾配になります。

■鈍く輝く床面■

  ところで、松本城の各階層の床面は、弱い光でも十分に光沢のある鈍い輝きを放っています。
  これはすこぶる生き届いたメインテナンスによるものです。毎年、近隣の子どもたちが胡桃や柿の汁油脂に浸した布で、汚れを取りながら、まんべんなく磨いているからです。
  木材繊維を保護するために最適な材料で洗浄・塗布を施しているのです。

破風内側
千鳥破風の内側の造り

■五重六階の結構■

  松本城は層塔式としては最古のものですが、望楼式の結構を残した過渡的な造りになっています。
  外側からは五重に見えますが、破風がある第三〜四重の内部は複合三階になっているので、内部は六階の造りになっています。三階層の一番下の階は窓がないので暗いのですが、外部から遮蔽されているので武者溜り(家臣の集結所)になっています。
  四階の回廊の内側は御座の間になっていて、天井が高くなっています。そこは非常時・戦時に領主がいる場所となるはずのものです。

■大天主最上階からの眺め■

  大天主六階の窓からの視点は地上25メートルほどの高さにあります。
  戦時にこの階は、重臣たちが結集し、最高所から周囲の地上の状況を見回しながら作戦を協議する場となります。軍略上の管制高地とするために、天主の高さが必要になるのです。


【写真】最上階の天上を見上げる

この日、本末庭園には姫姿のスタッフが登場。カメラマンに大人気だった。その真後ろの――大天主と乾小天主とを連結する――渡櫓が大手口として天主群への入口。

堀を渡ると黒門。これをくぐると本丸。

櫓門:桝形虎口になっている。

冬枯れの芝生の庭園の奥に天主群が控えている。

雪吊り縄の円錐も大天主も天を衝くようにそびえている。

窓は少なく、高い結構を保つために柱がやたらに多い。

急峻な結構は高い天井をもたらし、そのため階段もすごく急になる。

破風がある層(外観では3・4階)は内部では3層になっていて、天井が低い。

左写真の層の下の層。内部の階層を増やすため、ここも天井が低く、ほかの階の半分の高さ。

武者窓からの眺め。本丸庭園東側を覗き見る。

第三重・四重には千鳥破風と唐破風が設えられている。

四階からの階段は高低差が大きい。この階には、この内側に天井が高い御座の間があるためだ。

御座の間の内側。戦時には城主がいる場所になった。内装は書院風で、御簾がめぐらされている。












大天主六階から本丸庭園を見おろす
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