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長野県諏訪郡下諏訪町
 
 
湖畔の坂の街  

▲断層崖の上にある諏訪大社職舎 秋宮の南側の段丘上にある和風の瀟洒な建物

  古い歴史を持つ街を訪ねる楽しみのひとつは、その地理や歴史と深く関連した街のつくりを知ることだ。
  街の形の土台となっている地形は、時代を遡るほど、家並みや道路の配置に対してより大きな影響をおよぼしている。それは、その街の文化や風習の入れ物となっている。人びとは、その街の形と営みを地形に適応して発展させてきたということだ。
  諏訪湖の北東部、つまり秋宮の後背地には諏訪湖断層帯が横たわっている。したがって、そこでは地表陥没による断層崖と浸食による湖岸段丘が複合して、独特の傾斜地形を形成している。坂の街、下諏訪はそういう地形を土台としてでき上った集落なのだ。

■街の土台にある地形と街の形■

◆斜面にへばりついた街◆

  これまでの街歩きで見てきたように、下諏訪は坂の街です。
  諏訪湖は、中央構造線と糸魚川静岡構造線が交差する場所で、その周囲を活発な火山・造山活動の結果として形成された山岳が取り巻いています。湖側の断層が周囲から滑り落ちてできた断崖をさらに湖水や河川が侵食して複雑な段丘構造を生み出したようです。
  そういう傾斜地形の上に人びとは街並みを形成してきました。
  それでは、城山から降りて秋宮の裏手から南側の地形と街並み景観を探っていきましょう。


▲武居地区から秋宮の社務所方面を望む

  秋宮の裏手に迫る尾根は丸山の尾根筋で、八島ヶ原湿原まで延びています。この尾根と霧ヶ峰から延びる尾根に挟まれた細い扇状地。その斜面に秋宮近隣の街が位置しているのです。
  中山道と甲州街道は、いずれもその尾根裾の断層に沿って走っているのです。諏訪湖とその周囲の盆地は、活発な火山活動ないし造山活動で地表面の伸びたことで、この断層に沿って大地がずり落ち陥没したことで形成されたのでしょう。
  その傾斜地をさらに川と湖が侵食して、複雑な段丘地形をつくりました。


▲石畳の間を行く小径

◆湖岸の段丘にできた街◆

  下諏訪の街は、そういう来歴の湖岸の複雑な段丘の上につくられてきました。だから、急な傾斜地の街並みは坂道と段差で仕切られています。
  その分、高台から街の中心部と諏訪湖方面を見おろす展望は素晴らしいパノラマになるのです。
  私は、承知川の河岸段丘に沿った狭い小径を歩いてみました。北はに、重層する段丘斜面を見上げることになります。   


段丘上からの展望 対岸の谷間は上諏訪方面

▲市街の対岸は岡谷市南部方面

  段丘崖の上から南を見ると、街の中心部と諏訪湖が眼下に開けています。下諏訪の街の全貌はもとより、諏訪湖全体とその対岸にある岡谷市南部から上諏訪まで、さらに会うわ盆地を取り囲む山岳が一望できます。
  こいう雄大な風景を遠望しながら、起伏に富んだ地形と入り組んだ小径をたどりながら街の姿を探索するのは、なかなか素晴らしい体験です。


秋宮の樹林の裏手からの様子

樹林の裏手を南北に結ぶ小路


武居地区を東北東に向かう道路
この道路は、秋宮社務所の裏手からやって来て、2つの尾根筋の中間を抜けて走り、丸山高地を回り込んで、蓼の海(湖水)を経由して霧ヶ峰方面に達する。ロングウォーキングに好適。

上久保地区の住宅街

段丘崖の縁を通る小径

小径は、段丘擁壁を支える石垣に続く

段丘は何段階にもなっている

この坂は一念坂に向かう

山城のように石垣は重層している

段丘崖を反対方向に見る

住宅街の背後に迫る尾根

▲ 住宅地に迫る尾根の高台には「桜の城」の遺構が残されている

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