◆大出の大清水と秋葉権現社◆


▲池端には「大清水」の立札と石碑:「ふるさとの水20選」となっている


▲池の水は集落内を用水として流れ下る


▲池の中央には小さな石の祠が置かれている
 泉は段丘崖の下の窪みに湧き出ている


▲池の隣には秋葉権現社の鳥居と祠がある


▲扇状地の段丘上の急斜面を壇として社殿祠が祀られている
  小野は西に霧訪山、東に小野峠という山岳に囲まれた盆地のなかに位置し、それぞれの嶺から延びるいくつもの稜線に挟まれた複合扇状地です。盆地の底は小野川で、東西から川や沢の水流を集めて流れています。また、山腹や稜線からの伏流水が両小野宿の集落のなかに湧き出しています。
  なかでも大出の大清水は有名です。扇状地の末端の段丘斜面をなすこの一帯には大量の清水が湧き出していて、隣に秋葉権現社の小さな祠があります。火伏の神である秋葉神社が湧水泉の脇にあるのは、いかにも似つかわしい風情です。


      【写真上:旧三州街道から下る大出の中通り】

  この水は以前は隣村の灌漑用水として利用されていたとか。さらに、養蚕が盛んだった明治から大正、昭和期には製糸業の用水として利用されていたそうです。
  池の中央には小さな石の祠がありますが、これは水辺によくあるような水神様でしょうか。
池の脇には秋葉権現社の鳥居と祠があります。秋葉社は、大出や古町、宮前、上田など、地区ごとに祀られています。


【写真上:近所にある古民家と庭園】

◆小清水と大出・宮前の家並み◆


▲扇状地段丘の下の窪みに泉水池がある


▲清水を囲む段丘崖は石垣で補強されている
  大清水と秋葉社から100メートルほど北のT字路脇にも、小さめの泉水池があります。これは小清水と呼ばれています。
  ここの地形も扇状地末端の段丘崖の下の窪みで、古くは小さなV字断面の谷間となっていたと思われます。今では泉水池の周囲の段差は石垣で覆われています。
  水辺はかつては子どもたちの遊び場となっていたようですが、今は水難事故を防ぐために近づかないように警告する立札があって、泉水に親しむ環境ではないようです。残念です。
  かつてはこの泉水から流れ出た水が、農協支所方面に向かって小川をなしていたそうですが、今はだいたい水流はコンクリートや石垣で囲まれ、暗渠となっています。家が立て込んでいる都邑集落なので、家屋の敷地面積や道路幅を少しでも広げるためでしょう。

▲真冬でも凍らない大清水
  霧訪山系の西麓に広がる扇状地の扇端――谷間の底近く――にある北小野大出から宮前辺りには伏流水が湧き出てきます。小野・弥彦神社の境内社叢も含めて、この一帯には数多くの泉や遊水地があります。
  池には絶えず伏流水が湧き出てくるので、真冬にも凍結することはないようです。この日は零下3℃でもまったく凍っていません。ただし、氷点下10℃を切ると、池の表層あるいは縁が薄く凍ることはあるのですが。

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