唐様の建築様式――茅葺き寄棟造り―― 常楽寺本堂を例として

 

◆唐様の建築様式◆

  門外漢なので、話を茅葺き寄棟造りに限定します。
  寺院建築の様式としての唐様とは、平安時代の末期から鎌倉〜室町時代にかけて、中国からの禅宗の伝来・流布とともに出現、発達した建築様式です。
  この建築様式は、信州では別所・塩田平や小布施町の寺院本堂や薬師堂などによく見られます。
  こうした寺院建築は、ことに屋根の形状に顕著な特徴をもっています。
  屋根材は茅葺で、屋根本体の傾斜は上に膨らんでいますが、これを「むくり」と呼びます。そして、屋根の下端は、従来と同じように、上に反り上がっています。これを「そり」と呼びます。
  また、寺院本堂の建築の場合、唐様の破風はふ(「唐破風からはふ」)が設けられていて、その下に入り口がつくられています。