廃線敷の地形断面はこうなっている


■廃線敷は尾根を開削した段丘面に位置している■

  上の絵図は、廃線敷遊歩道が石している地形の断面を大雑把に表現したものです。傾斜などは誇張してあります。

  旧国鉄篠ノ井線の線路は、潮沢川の左岸にあって、南側から谷に張り出している尾根を切通し開削してつくった段丘面を路盤としています。
  ここでは、開削した結果、線路脇に迫る斜面が急峻になった場合とそれほど急峻ではない場合の2つに分けて、路盤の地形を説明することにします。あとの方の場合、稜線の傾斜が緩やかで長いので、谷側に尾根の末端が小丘として残っているものとしました。
  線路わきに迫る斜面が急になった場合には、土砂崩れ(斜面の土砂崩落)が起こる危険があるので、石垣を施したり、さらにコンクリート擁壁を施して安全を確保する必要がありました。
  旧篠ノ井線は、明科から潮沢川の谷間を源流部近くまで遡る経路でした。谷に向かってあまたの尾根が突出している地形を切通す小路は危険と苦難に満ちたものでした。
  斜面の傾斜が急でない場合でも、大雨が線路に向かって流れ落ちるさいの土砂崩れの危険性を減らすために、株に石垣を組んで土固めを施しました。谷側に尾根の末端の小丘が残る場合にも、下部に高さの低い石垣を施して線路への土砂の流下を防いでいました。
  また、尾根からは谷に向かって無数の沢が流れ落ちています。そこで、沢の流路に石垣やコンクリートの護岸を施して、沢筋の土砂流出や崩落を防ぐために、路盤脇に側溝を設け、流水をそこから路盤の下を暗渠でくぐらせて谷に落としていました。